PPC 広告におけるキーワード選定について、もう少しお付合いください。
第2回の PPC に関する記事の中で、塾を探している顧客(お母さん)の
イメージを明確にするために、「簡易ペルソナ」(=仮想人格者)
を設定しました。 今回は、このペルソナのお母さん目線で、
否、
お母さんになりきって、キーワードを見ていきたいと思います。
皆さんは、「検索者の気持ちになりきって」、検索画面を見たことが
ありますか?
私はよく、自分の塾の従業員には、
「生徒の目線で、生徒が何がわからないか親身に考え、指導しなさい。」
「保護者の目線もあるので、常に服装には気をつけなさい。」 などと、
よく「目線」という言葉を使って注意しています。
ただ、この 「目線」 という言葉は少し曖昧さを含んでいます。
「目線」 はあくまでも「目の延長線上」です。
生徒や保護者の気持ちになりきってはいません。
「娘の学力をどうにか上げたい。」と思っているお母さんの
目の延長戦上にあるもの、お母さんが求めているものが
「わかった!」 だけでは、お母さんを変えることはできません。
そこからどうしたら、このお母さんが自分の塾の目に留まり、
入塾に繋がるか、がポイントになります。
お母さんに、行動を起こさせるには、
お母さんになりきって考えるしかない、と思います。
では、ちょっとなりきってみます。
目次
私が設定したペルソナ
PPC 広告に関する記事で、以前私が設定した「簡易ペルソナ」は
次のようなお母さんです。
1 年齢・性別・年収などのプロフィール
⇒ 43歳 ・ 女性 ・ 140万円
2 職業(仕事内容、役職等)・所得などの経済力
⇒ 食品会社(事務・パート)
3 家族構成
⇒ 夫、妻(本人)、中2の娘、小5の息子
4 居住地
⇒ 新潟市(東石山地区)、当塾から車で20分、母親による送迎
5 塾に入る目的や動機
⇒ 現在、中2の娘さんは、大手の個別指導塾にいるが、
最近の中間テストの点数が悪かった。中1から通っているが全く成績が
上がらない。学生が指導している上、担当講師がよく代わることにも
不満を募らせている。
6 塾を決定する際の評価ポイント
学生が指導しないこと。成績が上がる塾であること。
家から車で20分以内。
7 塾に対する知識
知識はほとんどない。塾を変えることを考えているので、最近は知人から、
塾の情報を得たり、ネットで調べている。
8 インターネットの利用状況・利用時間
毎日、夜10時くらいから1時間程度、塾情報を求めてネットで検索している。
9 主に利用しているデバイス・検索エンジン
自宅のパソコンを使用し、ヤフー検索のみ。
スマホは外出時にたまに利用。
さて、このお母さんが「塾探し」でどのような行動をとるのかを
お母さんになりきって考えてみます。
お母さんは自分の見たい情報しか目に入らない
お母さんは自分の見たい情報しか目に入らないはずです。
たとえば皆さんも、「価格が知りたい!」 と強く思って、
Web で何か探しものをするとき、「価格」がわかるまで、
他の内容はほとんど目に入ってきませんよね。
塾を探しているお母さんも同じです。
このお母さんの見たい情報って何なのでしょう?
お母さんが見たい情報
自分の設定したお母さんに即して考えますと、
自分の子供を通わせたい塾のイメージは次のようになります。
(あくまでもペルソナ=お母さんの考えです。)
優先1 ⇒ 学費は毎月2万円以内。 車で20分以内の距離。
パートで働いているお母さんにとって、やはり1番の関心は
学費のはずです。近所にいくら評判のよい塾があっても、
2万円の壁は守るでしょうね。
(中3受験生の場合は、壁を破ると思いますが。)
それと塾までの所要時間ですが、お母さんは車で送迎しても
よいと考えているはずです。パートから帰ってくる時刻が
午後 6:00だとすると、家事を簡単に済ませ、部活帰りの
娘さんを車に乗せて塾に向かう時刻が午後 7:00です。
塾は通常 午後7:30くらいから中学生の指導時間に
入るので、お母さんの「車で20分」というのは
適切な考えです。
優先2 ⇒ 個別指導で成績をあげてくれる。
中1から1年以上大手塾に通っているにも関わらず、
成績が上がらないのは、「講師がよく替わる」 ことにも
原因がありそうです。一度塾選びで失敗しているので
今度の塾は、かなり慎重に決めようと思っているはずです。
そのためには、ネットで候補を探し、自分で塾に出向き、
「娘の成績を上げるために、具体的に何をしてくれるのか。」
ということを、細かく質問するはずです。
優先3 ⇒ 学生さんではなく、ベテラン講師が教えてくれる。
お母さんの本音は、「学生さんは NG 」 です。
前の塾を辞めた理由を、「学生が教えたから」だと
思い込んでしまっているからです。
「学生 = いい加減」 「学生 = 成績が上がらない」
という先入観を抱いています。
今度の塾は、出来たらベテラン講師が教えてくれる塾がよい、
と考えています。
2015年 12月6日 午後 10:06
お母さんは静かに Yahoo の前に座りました。
お母さんになりきってパソコンの画面を見てみる
下の画面は、「塾、新潟市、東区」 と検索した時の
Yahoo の検索結果です。(2スクロール以内の画像)
お母さんにとっては、何がどう違うのか、わからない状態です。
クリックするとしたら、① と ② の塾でしょう。
一度塾選びに失敗していますから、「体験」という文字が
目に留まり、クリックしてざっと「体験」の中身を
確認するはずです。
また、上位にある塾は、いずれも大手塾ですが、
「大手塾 =すばらしい塾」 でないことを、失敗により
経験しています。あまり気に留めないでしょう。
(画像はクリックすると鮮明になります。)
次の画像は3~4 スクロール目の画像です。
ここでは ③ の「口コミ」に一瞬、目がいきますが、
前の塾を探した時も、「口コミ」 サイトだったので、
今回はスルーすることになります。他はやはり
似たり寄ったりの謳い文句で、お母さんの気に留まる
塾はありません。
最終スクロールは下の画像です。
広告はなくなり、検索結果群が並んでいます。
やはりお母さんを引き付ける塾はありません。
今回は、あくまでも「お母さん」になりきって書いています。
私の考えは入っていません。
このあとお母さんは、いろいろなキーワードで塾を探すことに
なると思いますが、おそらくイメージ通りの塾は
パソコンの画面からは見つからないでしょう。
整理しておきますが、お母さんのイメージしている塾は
下の通りです。
1 学費は毎月2万円以内。 車で20分以内の距離。
2 個別指導で成績をあげてくれる。
3 学生さんではなく、ベテラン講師が教えてくれる。
これまで見てきた通り、検索者になりきらないと見えない
ものがあります。
私もこれから、本格的に PPC 広告という新たな分野に
向かっていきますが、今回のように、顧客視点になりきって、
検索結果を見ていくことで、どんな単語やフレーズに反応し、
何をクリックしそうか、という傾向がある程度把握できます。
私は今回この記事を書いている途中、ある「お宝キーワード」
を発見してしまいました。どこの塾もゼッタイ真似のできない
キーワードです。スモールキーワードですけど、
長期的に見ると効果を発揮すると確信しました^^
次回は、キーワード編の最終回です。
ぜひご覧になってください。