前回、学習塾を探すお母さんが、どのようなキーワードで塾を
探すのかを、お母さんになりきって見てきました。
おかげで、「お宝キーワード」 発見という、予期せぬラッキーな収穫も
ありました。
さて今回は、「ユーザー側」 が定めたキーワードを、
私(=広告を掲載する側)がどのような方法でキーワードを
PPC 広告に表示していくのかについて具体的に述べていきます。
前回まで述べてきたように、キーワードを選ぶにあたっては、その語句で
検索している人が何を求めているのかを、十分考えることが大切ですね。
その上で、自分の塾にアクセスしてもらうために、どんなキーワードを
設定しておくか、ということを頭をひねって考えるわけです。
そこで、実際に検索される際に重要になってくるのが、
どうやら、「マッチタイプ」 というものらしいので、忘備録として
まずその 「マッチタイプ」 を整理しておきます。
目次
キーワードマッチタイプ
Google Adwords ではキーワードを設定すると、関連するキーワードで
検索されたときも、自動で広告が表示される仕組みになっています。
「マッチタイプ」とは、どのような検索語句で広告が掲載されるかを
決めるための設定です。次の4種類があります。
① 完全一致
② フレーズ一致
③ 部分一致
④ 絞り込み部分一致
それぞれの違いを具体例と一緒に見ていきます。
キーワード= 「学習塾 個別」 とします。
① 完全一致
「こちらが設定したキーワードと、ユーザーが検索窓に入力した
キーワード(=検索クエリ) が、語順やスペースまで完全に一致した
場合」 のみ広告が表示されます。
▼ 広告が表示される場合は、ユーザーが 、「学習塾 個別」 と
入力した場合のみです。
▼ 完全一致で表示されない例▼
● 学習塾個別 → 単語の間にスベースがない。
● 個別 学習塾 → 語順が逆。
● 学習塾 個別 学費 → 「学費」という余計な語句が入っている。
【感想】
予測できない検索クエリに対しては、広告が表示されず、
広告の表示回数が制限されてしまう印象です。
何より見込み客を絞り込んでしまい、取りこぼしに
つながらないか心配です。
ただ、必要最小限の露出になるため費用を抑えることは
できそうですね。
② フレーズ一致
「こちらの設定したキーワードと完全に一致するフレーズ(文字列)が、
ユーザーの検索クエリの中に、語順通りに含まれている場合」 のみ
広告が表示されます。前後に文字が含まれていても表示されます。
▼ 広告が表示される場合は、ユーザーが次のように検索した場合です。
学習塾 個別
学習塾個別
学費 学習塾 個別
学習塾 個別 高校受験
〇〇駅 学習塾 個別
学習塾 個別 〇〇中学校
▼ フレーズ一致で表示されない例▼
● 個別 学習塾 ⇒ 語順が逆
● 学習塾 ⇒ 「個別」の文字がない。
● 学費 個別 ⇒ 「学習塾」の文字がない。
【感想】
「語順通り」というのが、すごく引っかかります。
語順が逆では検索されないということなので、完全一致同様、
顧客を限定してしまい、幅広くクリックしてもらうには避けたい
気がします。
③ 部分一致
①、②で説明した、「完全一致やフレーズ一致に加え、検索クエリに、
他の語句が含まれている場合や関連語句や類義語」 に対しても
幅広く広告が表示されます。
▼ 広告が表示される場合は、次のような場合です。
学習塾
個別
個別 学習塾
学習塾 個別
学習塾個別
学習じゅ 個ジン 学費
個人で教わる塾
塾 プライベート
個別塾の学費
勉強を個人塾で習う
学習塾 講師
塾 講師募集
個別指導の時給
【感想】
似た意味の語句や誤字、送り仮名の違い、多少の言葉の揺れ
など、かなりの柔軟性を持って広告が表示されると思います。
ただし、欠点もあります。
上のキーワードは、すべて表示されるのですが、
注目するのは赤字の3つです。
別に塾の講師を募集しているわけではないのに、
赤字のキーワードで広告がクリックされてしまいます。
これでは無駄な費用が発生してしまいますね。
このクリックの無駄を防ぐ機能として 「除外キーワード」
があります。
Google Adwords では、表示させたくないキーワードを
「除外キーワード」として設定 しておけば、
広告が表示されることはありません。
部分一致の場合は、必ず設定しておいた方がよさそうです。
下のように、「除外キーワード」 を設定することで、
無駄なクリックを避けることができます。
▼ 除外キーワード▼
● 講師
● 講師募集
● 時給
【感想】
除外キーワードの設定が少々めんどくさそうですけど、
慣れてきたらどうにかなりそうです。
完全一致やフレーズ一致と比べると、顧客の幅広い
取り込みができそうだと感じます。思わず「お宝キーワード」
を発見する可能性もありそうなので充分使えそうです。
最強!「絞り込み部分一致」
「 部分一致」 と 「完全一致」 により柔軟性を持たせたマッチタイプが
「絞り込み部分一致」 です。
簡単に言うと、「部分一致」 よりも絞り込みつつ、「フレーズ一致」 ほど
語順にこだわってはいない、ということです。
幅広い見込み客にアピールしたいときに効果的だと思います。
● 「絞り込み部分一致」=「フレーズ一致以上、部分一致未満」
「部分一致」で設定した一部の語句の前に、
半角の 「+(プラス)」 記号を追加すると、
語順に関係なく、その 「+(プラス)」 をした語句自体で
検索された場合にのみ広告を表示することができます。
フレーズさえマッチしていれば、「+(プラス)」を付けた語句に
わずかな表記の揺れ(誤字、送り仮名ミスなど)があっても OK です。
● 語順は関係なし ⇒ 「フレーズ一致」 以上!
● 余計な関連語句は含まない ⇒ 「部分一致」未満!
キーワード= 「+学習塾 個別」 とした場合、
(学習塾 = 絞り込み部分一致、個別 = 部分一致にした場合)
部分一致との比較は次のようになります。
※ 表記される場合=OK 、表記されない場合=NG 、とします。
▼ 部分一致 ▼ 絞り込み部分一致ではどうか
個別 学習塾 ⇒ 語順は逆だが、OK
学習塾 個別 ⇒ OK
学習塾プライベート ⇒ 「プライベート」は部分一致なので OK
学習じゅ 個別 学費 ⇒ 「学習じゅ」 に表記の揺れがあるが OK
学習塾 個人 高校受験 ⇒ 「個人」は部分一致なので OK
個別 2016年 学習塾 ⇒ OK
学習塾 ⇒ 「個別」 がないので NG
個別 ⇒ 「学習塾」がないので NG
塾 個人 ⇒ 「塾」 は関連語句なのでNG
個人で教わる塾 ⇒ NG
塾 プライベート ⇒ NG
別塾の学費 ⇒ NG
勉強を個人塾で習う ⇒ NG
学習塾 講師 ⇒ NG
塾 講師募集 ⇒ NG
個別指導の時給 ⇒ NG
【感想】
かなり魅力的なマッチタイプだと思います。
今後もあれこれ調べると思いますが、
私はまずこの 「絞り込み部分一致」をキーワードの
マッチタイプの第一候補にしたいと思います。
ただ、ユーザーが類義語や関連語句を検索したときは、
広告が表示されないので、ちょっと不安ですが、
一方、部分一致より対象範囲を絞り込むことができるので
少なくても、塾の講師を探している方からのクリックは
ないでしょう。
また、部分一致より、明らかに表示回数は減りますが、
「学習塾」 との関連性を高める上で、かなりの効果が
期待できると思います。
キーワードについての記事を3回シリーズで書いてきましたが、
ひとまず今回で終了します。
次回からは、検索クエリの見方やクリック単価などについて
書く予定です。