以前、「第1回 PPC 広告の導入(プロローグ)」 の際、
新聞折り込みでは、「1人の生徒を獲得するのに、約3万3千円かかる」
という内容の記事をかきました。(学習塾の場合)
● 新聞折り込み(学習塾)
⇒ 1人の生徒の獲得単価 = 3万3千円ならOK
それでは、 PPC 広告の場合は、1人の「獲得単価」をどのように決めれば
よいのでしょう。
今回は、PPC 広告を運営する前に、必ず決めておかなければならない
「生徒の獲得単価」について述べていきます。
目次
PPC 広告の横文字をざっと解説!
PPC (=リスティング) 広告について学び始めると、
CPC やら CPM やら CPA やらLTV など、横文字の専門用語が、
やたら見につきますよね。私は30年、中高生に英語を教えているので、
横文字には慣れているはずなのですが、PPC の用語だけは
未だ慣れません^^;;
まずは、この用語の意味について、忘備録として残しておきます。
● CPC ( Cost Per Click ) とは?
PPC 広告をネット上に出稿したとき、その広告1回のクリックにかかる
費用のことです。 クリック単価とも呼ばれています。
「CPC(クリック単価) 」 の計算式は次の通りです。
CPC(クリック単価) = コスト ÷ クリック数
例えば、2万円の費用でPPC 広告を出し、
100回その広告がクリックされた場合のCPC(クリック単価)は
次の通りになります。
20,000円 ÷ 100回 =200円
クリック単価は、かけた費用に対する効果を算出する際、
とても重要な指標になるので、常に意識したいものです。
● CPA(Cost Per Acquisition) とは?
商品を購入したりサービスを受けるといった、
Web サイトで獲得できる最終的な「成約」(=コンバージョン)
1件に対して、かかった広告費用のことです。
つまり、「1件あたりの獲得単価」のことですね。
CPA(1件あたりの獲得単価)は、業種により当然異なります。
また、設定する目標によって、何を「最終的な成約と見なすか」、
も異なります。商品購入や会員登録、資料請求など、さまざまな
設定目標があるでしょう。
学習塾でいうと、1件のお問合せや1人の生徒の入塾に、
いくらかかったか、ということですね。
例えば、「入塾」を成約(=コンバージョン)と見なすと、
20万円のPPC 広告費をかけて、最終的に10人が入塾
したとすると「CPA(獲得単価)」 は2万円となります。
生徒1人の獲得単価 =2万円、 ということですね。
PPC 広告においては、この CPA (獲得単価)をいくらに
設定するかが、とても重要になってきます。
● CPM (Cost Per Mill)とは?
広告が「表示」されることでコストが発生するタイプのことです。
PPC と比較すると分かりやすいですね。
PPC は、広告が 「クリック」されることでコストが発生するタイプです。
PPC = 広告を「クリック」してもらったときに費用が発生するタイプ。
CPM = 広告を「表示」してもらったときに費用が発生するタイプ。
私が今書いている記事は、PPC についてです。
広告をユーザーにクリックしてもらって、はじめて費用が発生します。
「クリック課金タイプ」の広告タイプです。
一方、CPM は広告の「表示」に対しての課金になりますので、
「インプレッション(=表示)単価」とも呼ばれています。
具体的には、1000回の表示あたりの費用が「CPM」になります。
私が今後、書いていく記事には、あまり CPM という語句は
登場しません。課金のタイプが違うからです。
参考までにCPM の計算式を下に示します。
CPM の計算式 = コスト ÷ 表示数 × 1000
例えば、30万円のコストで広告を出して、60万回の表示が
あった場合の費用は、次のようになります。
300,000円 ÷ 600,000回 × 1000 = 500円
1文字ちがうだけで、その意味や形態がちがうので、
ちょっと戸惑いますよね。
とりあえず、ここまでの3つは、はじめの文字は 「CP」 で、
3番目の文字がちがう、くらいに覚えておきましょう^^
● CVR(Conversion Rate) とは?
CVR(コンバージョン率)は、広告がクリックされた数のうち、
どのくらいの割合で「成約(=コンバージョン)」に結び付いたかを
示す指標です。
例えば、クリック数が2,000回、コンバージョン数が20回の場合、
コンバージョン率は2,000分の20、つまり1% になります。
計算式は下の通りです。
CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数÷クリック数× 100
CVR (コンバージョン率)は、広告が成果を上げているのかを確認する
ための重要な指標になります。
以前述べましたが、新聞折り込みチラシの場合、
一般的には、1万枚に対して10件のお問合せがあれば
よい方です。(チラシの反応率 0、1%)
学習塾業界に限って言えば、もう少しお問合せ件数が
あるように感じています。
ちなみに、私の塾のチラシ反応率は、約 0、12%です。
コンバージョン率を学習塾の新聞折り込みチラシに当てはめて
考えてみますと、「チラシを手に取り、ご覧になってくれたお客様のうち
どのくらいの人が塾にお問合せをしたか。」ということになるでしょうか。
新聞にクリックはできないので^^ コンバージョン率を出すことは
できませんが、費用対効果を考えますと、PPC 広告の方がよい
ように思います。
生徒1人の獲得単価
CPA(獲得単価)の設定が最重要
私は当然、学習塾のPPC 広告を出稿しようと思っています。
そして、最終的な「成約(コンバージョン)」を、「お問合せ」に
設定することにします。
PPC 広告を出稿し、私の塾の広告がクリックされ、
その結果、私の塾に電話やメールで「お問合せ」があった
件数を、「成約(コンバージョン)」と見なすことにします。
なぜ、「お問合せ」を成約(コンバージョン)と見なすかというと、
私の塾では、「お問合せ」のうち、9割くらいの顧客が
最終的に入塾するからです。
・ お問合せ件数 × 0,9 = 入塾者数
ということになります。
新聞折り込みチラシの場合は、初めにチラシに投入できる予算を
決めていましたが、PPC 広告の場合は、基本的にまず、
「CPA(獲得単価)」を決めることが重要です。
つまり、「CPA(獲得単価)」が決まれば、獲得したい生徒数を
かけ算することで、必要な予算が決まってくるからです。
新聞折り込みのように、、「チラシの予算30万円」と、はじめに決める
ことは得策ではありません。
なぜなら、例えばPPC 広告で、「新学期募集の予算は30万円」
とはじめに決めてしまうと、フタを開けてみたら、獲得単価が
6万円でした、となってしまい、4~5人の生徒しか獲得できない
ことになります。
CPA(獲得単価)を決めるLTV(顧客生涯価値)
「CPA(獲得単価)」を決める際、非常に重要になってくるのが、
「LTV(Life Time Value)」 です。
またまた謎の横文字が登場しましたが、
これ、「ライフタイムバリュー」と言います。
直訳すると「顧客生涯価値」となり、顧客が長期に渡り、
会社にもたらす価値のことです。
「通算利益」とも言います。
厳密に計算して出せないことはありませんが、
年間総売り上げや人件費、経費、税金など、
計算が複雑で面倒です。
そこで、今回は、この LTV(顧客生涯価値) を
簡易な方法で出してみます。
この記事を読んでいる方は、塾関係者が中心だと思いますので
その目線で述べていきます。
「生涯価値」となっていますが、「1年間の価値」としても数字はさほど
変わらないので、LTV =「1人の生徒の年間売上」と定義します。
通常は、「リピート率」をかけたりして算出するのですが、
塾にはリピートする「商品」がないので、「リピート率」は、考えなくても
よいです。
つまり、ざっくり「LTV = 年間客単価」でよいと思います。
ただし、1人の生徒にも年間の経費はかかっていますので、
その経費分を引きます。
塾業界の LTV とは、簡易的に次のようになります。
LTV =年間客単価 × 0,7(=経費分)
1人の生徒の売上にも、30%の経費がかかっていることを
想定しました。この経費はそれぞれの塾で違うはずなので
自分の塾に照らし合わせて設定してください。
私の塾では 0、7 です。
仮に、1人の生徒からの年間総売上を25万円とすると、
LTV(顧客生涯価値)を算出する方法は次の通りです。
LTV = 25万円 × 0,7 = 17万5千円
CPA(獲得単価) の決定
さて、LTV を算出したら、最後にCPA(獲得単価) を決定します。
下がCPA を求める式になります。
CPA (獲得単価)=LTV × 0、2(~0,3)
この中の「0,2~0、3」は売上総利益率(粗利率)です。
※ 粗利 = 「売上ー売上原価」
これも当然、会社によって異なりますが、一般的には
0、3~0、4 に設定します。
すると、CPA が次の通り決まります。
CPA(獲得単価) = 17万5千円 × 0,3 =5万2千500円
CPA が決まると、PPC を運営していく上で重要になるその他の
価格も、ほぼ自動的に決まってきます。
次回は、平均クリック単価などの決定方法などについて
述べていきます。
PS.
現在使用の塾のホームページ、 Jimdo との契約が2月14日で
切れます。現在、急ピッチでWord Press 使用 のホームページを
製作していますが、日々、眠気との戦いになってきました。
ホームページがないと、PPC 広告は存在しません。
それにしても、ホームページを作ることは大変です。
Word Press で会社のサイトを作ったことがある方は、
お分かりでしょうね。
言い訳はしません。
頑張ります。